未経験からWEBデザイナーになる方法|実際の就職経験を元に解説

近年、在宅ワークの普及により未経験からwebデザイナーになりたいと考える人も増えています。この記事をご覧になっているということは、あなたも少なからずWEBデザイナーに興味があるのではないでしょうか。
ただ、「全くの未経験の状態から本当になれるのか」「今さら遅いんじゃないか」といった不安を持っている方も多いと思います。そこで本記事では、実際に自分が未経験からwebデザイナーに就職した経験を基に、その具体的なプロセスと必要なスキルを初心者の方向けに解説します。
1. 未経験からWEBデザイナーを目指すうえで
まず大前提として、未経験からWEBデザイナーを目指すことは、簡単なことではないということを覚悟しておく必要があります。「いきなり脅しかよ」と思うかもしれませんが、ここをしっかり認識しておかないと時間もお金も無駄にすることになるため、最初に皆さんにお伝えしました。
最近では、「3ヶ月で憧れのWEBデザイナーに」「あなたも在宅ワークで悠々自適な生活を」などといったように、いかにも簡単に誰でもなれると思わせるような広告がたくさん出回っています。
この記事をご覧の方も一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
確かに未経験からWEBデザイナーになるのは、他の専門職に比べれば短い期間で可能ですが、上記のような甘い言葉の広告を鵜呑みにするのはとても危険です。
かくいう私も短い期間で習得できるという点も含めてWEBデザイナーという職種を選んだ身ではありますが、実際に働いてみると、とても奥が深く、難しい職種だと感じました。
プログラミングスクールで学ぶのはあくまで基礎であり、実務で通用するにはさらに努力が必要です。競争率も高まりつつある中、他の未経験者や経験者と競い合うにはスキルを確実に身につける必要があります。
2. 必要なスキルと学習方法
必要なスキル
まずWEBデザイナーとして必要なスキルには、以下のようなものがあります。
- デザイン基礎知識:色彩理論、レイアウト、タイポグラフィなど
- デザインツールの使い方:Photoshop、Illustrator、XDなど
- コーディングスキル:HTML、CSS、JavaScriptの基礎
デザイン基礎知識
これはデザインを作る過程や基本的な用語や制作手順、色彩についての理解などです。
WEBデザイナーは芸術家とは違い、クライアントの要望に応えるデザインを作る能力が求められます。ターゲット層やサイト制作上の目的、企業のイメージカラーの踏襲など多くのことを考慮しつつ制作します。そしてそれらは、なぜそのデザインにしたのか説明を求められることがほとんどです。
例えば、「信頼感や誠実さを連想させる色だから今回のコーポレートサイト(企業のホームページのこと)に青色をメインカラーとしてサイトを作っている」と言ったような感じです。
デザインは、こう見せることでユーザーにどう影響があるかなどを論理的に考えながら作っていかなければなりません。そのため、WEBデザイナーを目指す上でこの知識は最低限身につけておかなければなりません。
デザインツールの使い方
こちらもWEBデザイナーを目指すなら最低限身につけておかなければならない必須スキルです。デザインを作成する上で主に現場で使用されるソフトは、Adobeが提供しているPhotoshop、llustrator、XDです。
ソフトにはそれぞれ強みがあり、以下のように用途が違います。
- Photoshop → 画像の加工
- llustrator → バナーやロゴなどゼロから何かを作る
- XD → ページ丸々やサイトを作る
最初はよくわからないと思いますが、やっていく中で理解できるので、なんとなく似たような機能はあるけど用途が違う。操作できるようになることが必須のスキルだと覚えておいて頂ければ大丈夫です。
また、もう1つ「Figma」というツールがありますが、用途と操作方法がXDにとても似ています。そのため覚えておいて損はないですが、ひとまずはXDかFigmaどちらかの操作スキルを身につければ問題ないです。
コーディングスキル
コーディングとは、作成したデザインを実際にWEBで見れるようにするための作業です。
みなさんがいつも見ているWEBサイトは、大量の文字列が描かれたファイルをいくつも読み込むことで成り立っています。
.text{
color: #ffffff;
}
例えば、上記のような文字列を記述すると「text」というclass名が付いた箇所の文字色を白色にすると言う意味になります。
コンピューターは文字列で何の情報か判断するため、このような作業を行い、実際にサイトでデザインを見れるようにします。
プログラミングと聞くと、黒い画面によくわからない文字をたくさん打ち込んでいる姿をイメージする人も多いのではないでしょうか。
これがまさにその作業になります。
WEBデザイナーがコーディングを行う上で使われる言語は、主にHTML、CSS、JavaScriptです。これらの言語がコーディングを行う上で最低限必要なスキルになります。
ただ、WEBデザイナーになる上でこのスキルは必須というわけではありません。
もちろんできた方が需要は高くなるのですが、デザインを専門とするデザイナーも多くいます。向き不向きも顕著に表れる分野ので、自分がどうなのかやっていく中で判断するといいでしょう。
学習方法
上記のスキルの学習方法は、独学、プログラミングスクール、職業訓練校の3つがあります。
それぞれ詳しく説明します。
独学で学ぶ
独学は、自分のペースで自由に学べるのが最大の魅力です。書籍やYouTube、ブログ、Udemyなどのオンライン教材を使って、コストを抑えながら幅広い知識を身につけることができます。自分で調べて試行錯誤する力が養われるため、問題解決力も自然と身につきます。
メリット
- 費用が安い or 無料で始められる
- 好きなタイミング・場所で学習できる
- 興味のある分野を深く掘り下げられる
デメリット
- カリキュラムがないため、学習の方向性に迷うことがある
- モチベーションの維持が難しい
- 実践的なフィードバックが得づらい
向いている人
自分で計画を立ててコツコツ学べる人や、時間やお金に制約がある人に向いています。
プログラミングスクールで学ぶ
スクールは短期間で体系的に学べるのが強みです。現役のデザイナーやエンジニアから直接フィードバックを受けられ、実務に近い課題にも取り組めます。個別サポートやポートフォリオ作成支援、転職サポートなども充実しています。
メリット
- カリキュラムが整っており、効率よく学べる
- 講師やメンターから直接アドバイスがもらえる
- 就職・転職支援があるところも多い
デメリット
- 受講料が高額(数十万円かかることも)
- 学習期間が限られているため、ペースに追われることも
向いている人
費用を投資してでも確実にスキルを身につけたい人や、早期に転職を目指す人におすすめです。
職業訓練校で学ぶ
ハローワークなどの支援を受けて、一定の条件を満たせば無料または低コストで受講できるのが職業訓練校の魅力です。実務に近いスキルを段階的に学べるカリキュラムが整っており、就職支援も充実しています。中にはポートフォリオ制作や面接対策をサポートしてくれるところもあります。
メリット
- 無料または格安で受講できる
- 就職支援が手厚い
- 基礎からしっかり学べる
デメリット
- 入校時期や選考に制限がある
- 受講時間が平日昼間に固定されていることが多い
- カリキュラムがやや古いケースがある
向いている人
転職活動中で職業訓練の条件を満たしている人や、金銭的負担を抑えて確実に学びたい人に向いています。
それぞれメリット・デメリットがあるので、ご自身の状況に合わせて選ぶようにしましょう。
ちなみに私は独学ではじめ、その後プログラミングスクールに通いました。
理由としては、次で説明するポートフォリオに掲載する自身の作品を作るためです。
3. ポートフォリオの作成と活用方法
そしてこれまで説明したスキルを使い、就職活動に欠かせないポートフォリオ作成を行います。これがWEBデザイナーとして就職活動を始めるために必要なステップの最後です。
ポートフォリオとは、自分のスキルやセンスをアピールするための作品集のようなものです。
履歴書と違うのは、自分のスキルを見てもらうことにフォーカスしているという点です。
自分が作ったサイトやLP・バナーデザインなどをまとめて掲載し、企業に履歴書などと一緒に提出することで自分はどういったことができますということをアピールできます。企業側はこれを見てその人がどのくらいのスキルを持っているのかを判断します。
良くも悪くもスキルが視覚的にしっかり見られるので、そこでスキルをしっかりアピールできれば採用に大きく近づくことは間違いありません。逆にスキルがないと面接でいかに自分のことをアピールしたとしてもスキルの部分で受からない可能性も出てきてしまいます。
ポートフォリオは、PDFなどで提出する場合とサイトとして見せる場合の2つのやり方が存在します。どちらでも問題ありませんが、WEBデザイナー就職の場合WEBへの知識もあることをアピールできるため、可能であればサイトとして見せるのが無難だと思います。
現在ポートフォリオを簡単に作れるサービスなどもあるので、そういったものを活用するのもいいと思います。ただ、ポートフォリオサイト自体を自分の作品として見せることができるので、コードが得意な人は自分で作ることをおすすめします。
例として、私の場合1社目の時はポートフォリオ作成サービスを使い、その後スキルが付いたため、2社目の時は自分で作成しました。スキルや期間なども考慮し、自分はどちらにするのか決めるのがいいでしょう。
未経験の場合
しかし未経験や初心者の方からすると、「ポートフォリオが重要なのはわかってるけど、それに載せる作品がないから困ってるんだよ」と思った方も多いと思います。
実際に私もその点で困りました。
未経験の場合は、自分で作って見たいジャンルのサイトやLP・バナーを考えてデザインを作成し、それを掲載するということも可能です。
ただ、これはあくまで自分の好きなようにデザインしたにすぎないので、実際の現場で求められるクライアントの要望に応えるデザインを作成する能力を見せることができません。
それにそもそも作りたいデザインなんてないという方も多いでしょう。
私も完全にこれでした。
そこで実際のクライアントワークを通して作品を作ることができるプログラミングスクールに通うことにしました。自分でクライアントを見つけられる人はそれでいいですが、当時私は大学生ということもあり、周りにそんなつてはありませんでした。
プログラミングスクールの中にはクライアントワークができるスクールがあります。
クライアントワークとは、実際にサイトやポスターの作成などを依頼するクライアントがおり、それに対して受講生がスキルの向上も兼ねて作成を行うというものです。
これを行うことで自身のポートフォリオに載せる作品を作ることができます。
さらには就職に向けたポートフォリオの作成についてもアドバイスしてくれることも多いので、未経験の立場からすると非常に助かります。
もちろんプログラミングスクールに通うとなるとそれなりに金額がかかるので躊躇してしまうかもしれませんが、ポートフォリオの作成で立ち止まってしまうとWEBデザイナーとして就職できずに立ち止まってしまいます。
そのため高いからやめておくと金額のみを気にするのではなく、時間や金額、自身の現状などをよく考えて決めるようにしましょう。
実際に就職してからの方が学ぶことが多かったり、経験を重要視される職種なので、とにかく早い段階でWEBデザイナーとして就職することが何よりも大切です。
4. 就職活動のポイントとコツ
未経験からwebデザイナーに転職するためには、戦略的な就職活動が必要です。
新卒の方
- 未経験歓迎の求人を探す
- インターンシップを活用する
- 企業のカルチャーを重視する
- 自分の働きやすい環境を見極めることが大切です。
面接の準備
- 自己紹介の練習
- 自分の強みや熱意を簡潔に伝えましょう。
- ポートフォリオの説明
- 制作の背景や工夫したポイントを自信を持って話すことが重要です。
- 逆質問を用意する
- 例えば「御社ではどのようなデザインプロジェクトが多いですか?」と質問すると、興味を示せます。
5. 実際の経験から得たアドバイス
私が未経験からwebデザイナーになった経験から、特に重要だと感じたポイントを以下に挙げます。
継続する力の大切さ
デザインのスキルは一朝一夕には身につきません。毎日少しずつでも努力を続けることで、必ず成果が現れます。
仲間やメンターを見つける
コミュニティやSNSを活用して、同じ目標を持つ仲間や経験者とつながることも重要です。質問や相談がしやすくなり、モチベーションを維持できます。
実際のエピソード
最初に応募した企業では、ポートフォリオの完成度が低く不採用になりました。しかし、そのフィードバックをもとに改善し、次の応募先では「デザインの成長が見られる」と評価され、内定を獲得しました。
6. まとめ
未経験からwebデザイナーになるためには、基礎知識の習得から実践的なスキルの磨き上げ、そして効果的なポートフォリオの作成と就職活動が鍵となります。本記事を参考に、自分の目標に向けて一歩ずつ進んでいきましょう。行動を起こすことが成功への第一歩です。失敗を恐れず、挑戦を楽しみながら前に進んでください。